里山再生・自然学校– 里山再生 これまでのあゆみ –
里山再生活動のきっかけ
千葉県北部は下総台地など関東平野の一部を担い、比較的平坦な地形が広がっていますが、真光寺のある袖ケ浦市内陸部辺りから南部に向け丘陵地が展開していきます。
こういった中山間地域(平地と山間地域の中間)は「里山」として古くから農林業の生産の場として利用されていました。しかし、近年ではまとまった農地が少ないこと、地形からなる作業効率の悪さに加え、集落の高齢化、過疎化が進み、耕作を放棄する農地が多くなっています。
真光寺から更に約2.5km南へ進むと、そんな耕作放棄された谷戸がありました。この谷戸は、真光寺近隣を流れる大月川の源流域であり、周辺のゴルフ場開発から免れた雨水流域を保つ地域でした。専門家に、とても貴重な自然が残されていることを教えられたことが、再生活動をおこなうきっかけとなったのです。
竹林整備から、田んぼづくりへ
先行して平成八年より境内地の竹林整備等をおこなっていましたが、竹林整備が一段落した後に、奥の谷戸へと作業の場を移しました。作業を始めた平成十六年の当時は、水田には木が生えており、草や笹などで先が見えず、谷戸全体を把握することなどとうていできない状況でした。
少しずつ、少しずつ、田んぼへと姿を戻していくと、色々な発見がありました。谷戸の両側の山から流れ出る水は清らかで、夏の日照りが続いても枯れることがありません。また、水路にはサワガニやドジョウ、ヨシノボリなどが生息し、サンショウオの産卵場所にもなっていました。水の水量流速などによって、オニヤンマの生育場所が限定されていることもわかりました。笹を刈り払うことにより、シダ植物、スミレ科の花が咲き始め、カエルの生育場所ができ、カエルを狙うサシバ等の猛禽類が姿を見せ始めました。