9月29日は、とっても大切な日
こんにちは。
お彼岸が終わり、
朝晩は涼しい気候になってまいりましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、
【9月29日は、とっても大切な日】
というタイトルをつけましたが、
何の日かご存知でしょうか?
この、9月29日は、
曹洞宗の二祖(にそ)と呼ばれている
道元禅師(どうげんぜんじ)と、
瑩山禅師(けいざんぜんじ)の
「お亡くなりになられた日」
として、曹洞宗では、
毎年法要が執り行われています。
要するに、曹洞宗を築いた
お祖師様の命日というわけです。
では、この日はどうして
とても大切な日なのでしょうか?
私たち曹洞宗の僧侶にとって
重要だということは言うまでも
ないのですが、
この日にあらためて、
道元禅師や瑩山禅師の
教えをふりかえり、
わが身を照らしてみる
とても良い
機会ともなります。
例えば、道元禅師の教えに
こんなものがあります。
「示して云く、学道の人は後日をまちて行道せんと思ふことなかれ、ただ今日今時をすごさずして日日時時を勤むべきなり。」
『正法眼蔵随聞記』 明和本巻6(表現を見やすく改めています)
(意訳)
道元禅師が示していわれるには、仏道を学ぶ人は、後日を待って修行しようと思ってはならない。ただ今日のこの時を無駄に過ごすことなく、毎日毎時に修行をつとめるべきである。
曹洞宗ホームページより
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私たちは、過去現在未来と
流れる時間の世界に生きていると
思っていますよね。
しかしながら、
私たちが生きることができるのは
今だけです。
過去も未来も本当にあるのか
どうか証明することはできず、
じつのところ、
今の中に、過去も未来も
集約されています。
またあとででいいや。
今度でいいや。
と後回しにすることは
もちろんのこと、
日常の中にたくさん
あることと思います。
しかし、
それは後回しにして
良いことですか?
ということは、時に
自分に問うてみる
機会があっても
いいと思うんです。
特に、「ごめんなさい」と
「ありがとう」は
早い方がいいですね。
また、瑩山禅師の教えに
このようなものがあります。
「常に大慈大悲に住して、坐禅無量の功徳を、一切の衆生に回向せよ。憍慢・我慢・法慢を生ずることなかれ。これ外道凡夫の法なり。」
『坐禅用心記』
(意訳)
常に、大いなる慈悲心を保持しつづけ、坐禅の計り知れないほど広大な功徳を、あらゆる生きとし生けるものに手向けるようにしなければなりません。自己に執着し思い上がって行う坐禅は、仏法の坐禅ではなく、外道凡夫のものである。
曹洞宗ホームページより
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これは、坐禅と言ってはいますが、
坐禅に限定せずに
考えて良いでしょう。
自分の積んだ徳を、
自分のためだけに使うのではなく、
生きとし生けるものへ
手向けるようにしましょう。
自分に対して、
強い執着の心を起こしたり、
思い上がりの心を起こしたり
するのは、
仏教徒のすることではなく
外道のすることです。
と、厳しく
戒められております。
厳しいですね~。笑
でも、この両祖様の命日に
新ためて自己をふりかえり、
正しき、良き道を歩めているのかな?
と考えてみることは、
つまりは自分自身の人生を
正しく豊かにしていく道を
歩めているかの
確認でもあります。
私たち僧侶にとっては、
当然のこと、
重要な日でありますが、
皆様にとっても
少し特別な良い一日
となるきっかけに
思っていただけましたら幸いです。
ここまでお読みくださり
有難うございました。
本日も、良き日を
お過ごしくださいませ。